まず、被験者にアラミドと PE について簡単に説明します。
アラミド繊維機器 アラミドはケブラー(化学名はフタルアミド)とも呼ばれ、1960年代後半に誕生しました。耐熱性、耐酸性、耐アルカリ性、軽量性、高強度などの利点を持つ新しいタイプのハイテク合成繊維であり、防弾保護具、建設、電子機器などの分野で広く使用されています。
しかし、アラミドには致命的な欠点が 2 つあります。
1) 紫外線を受けると劣化します。加水分解されやすく、乾燥した環境に保管されていても空気中の水分を吸収し徐々に加水分解します。
そのため、アラミド防弾インサートや防弾ベストは、強い紫外線や湿度の高い環境での長期使用には適しておらず、防護性能と耐用年数が大幅に低下します。さらに、アラミドの安定性の低さと耐用年数の短さも、防弾分野におけるアラミドの更なる応用を制限しています。
高品質のアラミド繊維はPE繊維よりも価格が高く、30~50%程度高くなる場合があります。現在、アラミド繊維を使用した防弾製品は徐々に減少し、PE繊維を使用した防弾製品に置き換えられ始めています。中東の高温など、特殊な環境や特殊な要件がない限り、PE素材の防弾装備の使用をお勧めします。
1. PE繊維機器で前述したPEは、実際にはUHMW-PE、つまり超高分子量ポリエチレンを指します。1980年代初頭に開発された高性能有機繊維で、現在では炭素繊維やアラミド繊維と並んで世界三大ハイテク繊維と呼ばれています。私たちの日常生活で使用されているビニール袋は、実はポリエチレン製品で、非常に高い安定性と極めて分解しにくい性質を持ち、深刻な環境汚染を引き起こしています。しかし、この特性こそが、防弾チョッキの製造に最適な素材となっている理由です。さらに、耐寒性、耐紫外線性、耐水性などの特性も備えています。
低速弾に対する防御力に関して、UHMW-PE 繊維の弾道抵抗はアラミド繊維より約 30% 高くなります。
高速弾に対する防御力において、UHMW-PE繊維の防弾能力はアラミド繊維の1.5~2倍であり、PEは現在最高品質の防弾素材として認識されています。
しかし、UHMW-PEにも欠点があります。耐熱性はアラミドに比べてはるかに劣ります。UHMWPE防弾製品の使用温度は80℃(人体や機器の温度要件である耐熱55℃)以内に制御する必要があります。この温度を超えると性能が急激に低下し、150℃以上になると溶融してしまいます。一方、アラミド防弾製品は200℃の高温環境下でも安定した構造と良好な防護性能を維持できます。そのため、PE防弾製品は高温環境での使用には適していません。
さらに、PEの耐クリープ性はアラミドほど優れておらず、PEを使用した機器は継続的な圧力を受けるとゆっくりと変形します。そのため、ヘルメットのように複雑な形状で長時間の圧力に耐える必要がある機器にはPEを使用できません。
これらの特性に加えて、PE の価格は前述のようにアラミドよりもはるかに低くなります。
一般的に、PEとアラミドにはそれぞれ長所と短所がありますが、現在では防弾層としてPEを使用するケースが増えています。実際の状況に応じて、適切な防弾装備を選択する必要があります。
投稿日時: 2021年8月20日